眼精疲労

眼精疲労について
目に充血や痛みなどが起こり、視界がかすみ・ぼやける、まぶしさを感じるなどの症状がおこります。これが悪化すると目の症状だけではなくきつい肩や首のこりがおこり、ときにはめまいや吐き気など全身疾患の状態を感じることもあります。
近年では、パソコンなどのディスプレイ作業が増え、近い距離にピントをあわせるために目の筋肉を使い続けてしまうことに起因する眼精疲労も増加しています。ただの疲れ目と侮っていると、身体だけではなく心にまで影響を及ぼすこともあります。目になかなか治らない疲れを感じたら、早めに眼科を受診するようにしましょう。
眼精疲労の特効薬はございません。特に中年以降の目の度数や調節の変化する時は目の疲れを感じやすいです。
当院では、調節力・屈折・眼位・眼球運動等を評価し、少しでも目のストレスを軽減できるように治療していきます。
眼精疲労の症状
眼精疲労では、疲れ目と同じような目の症状のほか、全身に及ぶ身体の症状も現れます。以下のような症状が代表的なものです。
目の症状
- 目がしょぼしょぼとする、目が重くなる、目の奥が痛む
- 目がかすんだりぼやけたりする
- 目が充血する
- 視点を移動したときすぐにピントがあわない
- 普段よりまぶしさを感じる
- 目が乾く
身体の症状
- 肩や首がこる
- 頭痛がする
- けだるい(倦怠感)
- めまいやふらつきがある
- 吐き気がする
眼精疲労の原因
眼精疲労は、パソコン・テレビ・ゲーム・読書など目を酷使することによって起きたものだと考えられます。その他、眼の機能低下や他の病気によるものもあります。眼精疲労の原因は多種多様で、主なものは以下の4つあげられます。
- 目の酷使による眼精疲労
- 読書やテレビゲーム・OA機材・パソコンなど長時間同じ距離を見続けるために起こる眼精疲労です。
眼精疲労の中では、最も多いタイプです。 - 眼科疾患による眼精疲労
- ドライアイ・白内障・緑内障・網膜症など疾患による視力・視野障害のため起こる眼精疲労です。
- 調節性による眼精疲労
- 遠視・老視・斜視・複視など、物に焦点を合わせる目の調節作用が低下したり緊張、痙攣してきたために起こる眼精疲労です。当院では負荷調節検査(AA-2)を用いて詳しく調べていきます。
- 精神的なものによる
眼精疲労 - 慢性疲労・過労・睡眠不足・ストレスなどによる眼精疲労です。
眼精疲労の治療方法
眼精疲労の治療には、以下のようなものがあります。 ドライアイを原因としている場合には、その治療を行います。
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点眼治療
ピントを合わせる筋肉をリラックスさせる点眼薬・ドライアイの点眼薬などを使用します。眼球を適度に温めることで血流がよくなります。調節の状態を一度安定させ、メガネ・コンタクトレンズの度数を調整します。
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生活習慣の見直し
眼の酷使の原因を、解消・改善します。仕事上パソコン作業が避けられない場合にも、30分おきの休憩や簡単な目や身体のストレッチなどを挟むようにしましょう。スマートフォンを見てしまう時間を減らすことも大切です。
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正しい度数の眼鏡・
コンタクトを作る眼が疲れているときには、現在の正確な視力と眼鏡の度数が合っていない可能性があります。老眼は、40歳前半から始まります。コンタクトやメガネの度数を変えることで楽になります。また、外斜視などの目の位置のズレが大きい場合は、プリズム眼鏡で症状が改善する可能性があります。
眼精疲労の5つの対策
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パソコン作業の環境を改善する
机、いす、モニターの位置などが好ましくない状態のままパソコン作業を続けると、自然と姿勢が悪くなり目も疲れやすい状態が続きます。そのため、パソコン作業の環境を見直し、目に負担がかかりにくい配慮をするようおすすめします。
また、モニターの光度や文字の大きさ、パソコン作業の長さなどにも気を配り、目の負担を減らしましょう。 -
スマートフォンの
使用方法を改めるスマートフォンはパソコンのモニターより近くで見ることが多いため、目の筋肉が疲労しがちです。そのため、スマートフォンの使用時間を短くする、動画などはテレビモニターで見るなど、日常の工夫をおすすめします。スマートフォンは多くの人にとって身近で生活の中に浸透しているからこそ、使い方に注意が必要です。
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ホットアイマスクの使用
ホットマスクを使うと目の周辺の筋肉の緊張が緩和できます。近年は使い捨てのものや電子レンジで温めて何度も使えるものなどさまざまなタイプが市販されているので、自分にとって使いやすいものを選んでみてください。
また、家電製品として遠赤外線を取り入れた商品もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。 -
適度な休憩・体操
仕事で忙しいときやゲームや動画を楽しんでいるときは、パソコンやスマートフォンの画面を見続けることが多いと思います。しかし目の疲労をできるだけ抑えるためにも、30分に1回は休憩する習慣を取り入れましょう。できれば肩や首をほぐすなどの体操を取り入れると、血行の改善もできます。
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スマートフォン用眼鏡の使用
スマートフォンを使用するような手元にピントを合わせるとき、そのピント調整をアシストする「スマホ用眼鏡」というものが市販されています。
どうしてもスマートフォンやPCの使用時間が長くなってしまうという方におすすめです。